LGBTなど性的少数者の支援者育成を目的にした研修会「LGBTQ+サポーター養成講座」が6日、長崎県長崎市内であった。教育や福祉関係者ら約40人が当事者の講話や小学校での活動報告を通じて日ごろの言動を見詰め直し、当事者が相談しやすい環境づくりについて考えた。
県内で性的少数者の支援や啓発活動に取り組む「Take it!虹」や長崎市のNPO法人心澄などが開いた。
市立横尾小の西川操教諭(60)は、昨年度の3年生が取り組んだ「みんなのトイレプロジェクト」について報告。総合的な学習で児童が多目的トイレの必要性や運用ルールを自分たちで考えて学校に提案し、もともと男子用と女子用だった計2カ所を「みんなのトイレ」として使い始めた経過を紹介した。
アイデアを出し合う際に児童の一人が付箋に書いた「気にしない」という言葉から、「誰もが気にせずに入りたいトイレに入ることができる」という点を確認して計画を進めたと説明。「私たちの多くは日ごろ特に気にしないでトイレに入っているが、どの人にも大事な権利としてあるべきと気付かされた」と話した。
一般社団法人「にじーず」(横浜市)代表でトランスジェンダーの遠藤まめたさん(36)は、「彼女はいるの」といった異性が恋愛対象であることを前提とした質問や、「男は○○」など性別への決めつけが「マイノリティーの人のメンタルヘルスを害している」と強調。相談しやすい環境づくりでは、支援機関側が施設の待合室やホームページで、「LGBTQの人も安心して話せる場」だと明示するなど「情報を出していくことが大事」と語った。
12日には佐世保市内でも開く。